2012年 07月 18日
http://archive.mag2.com/0000017208/20120718130354000.html ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2012/7/18 No.643 週刊メールジャーナル 読者数9999(前回) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ●報道機関の矜持を忘れた『読売新聞』が「小沢」と「原」で見せた大矛盾 (会員制経済情報誌『現代産業情報』7月1日号より転載) 『読売新聞』がおかしい。 これは今に始まったことではないが、「独裁者」の渡辺恒雄・読売グループ本 社代表兼主筆(86)が、老害を増すにつれ、ますますひどくなっている。 それが、報道機関としての矜持をかなぐり捨てたものであることを、「読売人」 は理解しているのだろうか。 例えば、『週刊文春』が、2週続けて放った「小沢」と「原」に関するスクープ 記事に関して取った読売の言動は、明らかに矛盾しており、取り繕いようがな い。 「小沢一郎夫人の絶縁状」(6月21日号)と題する記事の中の「絶縁状」の真贋 はともあれ、政界を震撼させ、国民的興味を引くスクープであったのは間違い ない。 ただ、『読売新聞』のような大新聞が、その報道を鵜呑みにして、裏取りも行 なわず、そのまま記事にするようなことは、これまでなかった。 もちろん、「週刊誌ごとき」という驕りがあるのは確かだが、そこで一歩引き、 検証作業を行なうのが、「日本を代表する報道機関」を自認する読売の矜持で あった。 しかし今回、読売はその作業を一切、行なわず、6月23日付の2面で、まず「小 沢氏資質 妻が告発」と打った。 そこでは、同紙が入手した手書きの便箋の写し11枚の概略を紹介。タイトルの ように、その内容を伝えるだけで、放射能が怖くて逃げた小沢元代表を貶める 結果となっている。 さらに4面では、民主党への波紋や「小沢新党に与える打撃」を詳細に伝えてい る。 小沢派の東祥三代議士の「手紙の内容は事実ではない。逃げたといわれる昨年3 月25日、小沢氏は東京にいた。消費増税や原発に関する我々の主張を支持して くれる国民に、この手紙が影響を与えることはない」といったコメントを掲載、 バランスを取ったような体裁にしている。 このバランス感覚で、小沢事務所の「手紙は本人の字ではない」という反論ま で掲載、読売は、和子夫人の確認を取った様子がうかがえないので、現段階で は「怪文書」と捉え、扱いは大きくしないのが矜持だろう。 なのに、ここまで大きく報道したのはなぜか。 「反小沢」という編集方針に文春記事が合致したからに外ならず、『週刊文春』 に下駄を預けて小沢批判を展開する姿勢は、「みっともない」というしかない。 その一方、翌週、「巨人軍原監督が元暴力団員に1億円を払っていた!」と題し た『週刊文春』のスクープについては、発売前の6月20日、「原辰徳監督と巨人 軍の名誉を傷つける記事になる」として、「近く損害賠償請求訴訟を起こすこ とを明らかにした」という形で報じている。 読売は、「読売新聞が、捜査当局と一体となって2ちゃんねる捜査をすすめて いる」と、書いた『週刊ポスト』も提訴しており、「言論には言論で」という 報道機関の原則は捨て、「法廷で白黒をつける」という姿勢に徹しているが、 自らが犯している名誉毀損については、一顧だにしないのはなぜか。 「清武氏がこの報道に関与していると監督も私も思っている」 こう文春記事の“ネタ元”を特定して発言したのは、巨人軍の桃井恒和社長で あり、それを実名報道したのは『読売新聞』である。 さらに原監督は、その時点で「こんなことがなぜ続くのか。清武さんのほかに、 いったい誰がいるのか」というメッセージを発表、それも同紙は掲載した。 清武氏とは、いうまでもなく読売及び渡辺代表と大喧嘩の真っ最中の清武英利 前球団代表のこと。 もちろん、清武氏は「何を根拠に!」と反発しており、清武氏に対する名誉毀 損を連日のように行いながら、一方で、「恐喝を受けたこととカネを支払った 事実」は認めながら、それでも名誉毀損だとして訴訟した読売の姿勢は、ご都 合主義というしかない。 『週刊文春』を、ある時は楯にして利用、「小沢批判」を展開、「名誉毀損」 は文春におっかぶせる。 またある時は、発売前に提訴という報道機関としては許し難き暴挙を行いなが ら、自らも堂々の「名誉毀損」を犯す。 こんな新聞に入社したつもりではなかったのに……。 多くの心ある若手記者が、こう悩んでいることを、「独裁者」となった渡辺代 表や、代表の気持ちをおもんぱかって動く山口寿一・読売グループ本社経営戦 略本部長ら側近は気づいておらず、読売の瓦解は急速に進んでいる。 ●「芸能界」と「角界」を旧態依然の姿に戻したNHKと警察の責任 (転載同前) 暴力団、暴走族OB、芸能人、八百長、バクチ、クスリ、裏カジノ……。 昨年末のNHK紅白歌合戦まで、そんな相関図が報じられ、ある者は摘発され、 ある者は引退に追い込まれ、長年の宿痾が解消するのではないかと思われた。 だが、それも一過性だった。 鳴り物入りで昨年10月、完全施行された暴力団排除条例は、「自主申告」して 反省すれば、警察としては手も足も出ない中途半端なものであることが判明、 「暴力団(山口組)壊滅作戦」の旗を振った安藤隆春・警察庁長官が、暴排条 例施行にあわせたように10月1日付で退任したこともあって、「芸能界粛清」の 空気は急速にしぼんだ。 それを象徴するのが紅白歌合戦で、当初、「興行を通じて暴力団と親交を持た ない演歌歌手はおらず、韓流歌手とAKBと芦田愛菜の紅白になる」と、言わ れたものだが、結局は、過去に暴力団組長との親交が報じられたような大物が 勢ぞろい、いつもと変わらぬ「紅白」だった。 それに勢いを得たように、吉本興業の大崎洋社長は、今年の年初、「島田紳助 には帰ってきて欲しい」と発言。 「反省がない」と、マスコミは批判したが、実際は、「時期尚早」と思ってい るだけで、「いつ復帰してもおかしくない」と感じている。 結局、芸能界は変わらなかった。 いつ人気が落ちるかわからないという不安感が、酒と女と享楽に走らせ、そこ には、そうした「場」を提供する半グレのクラブ経営者、裏カジノ運営者など がいて、彼らは暴力団と表裏一体である。 この無限連鎖を断ち切るには、暴力団や半グレを排除するしかないという警察 当局の判断は正しかったが、NHKを始めとするマスコミにも、そうした相関 関係に寄生し生息する幹部がいたし、警察自身もOBの天下りという形で、そ の相関関係に「連帯」しており、暴排条例ブームの終焉とともに、彼らの「連 帯」が復活した。 例えば、エイベックスである。 『週刊文春』は、沢尻エリカが大麻など薬物に汚染されている様子と、彼女を 支えるエイベックスの松浦勝人社長に同様の疑惑があることを報じているが、 他社の後追いはない。 エイベックスの背後に、「芸能のドン」の周防郁雄・バーニングプロダクショ ン代表がいるからだ。 テレビ番組の構成、週刊誌のグラビア、歌番組の出演者選定など、すべてに周 防氏の影響力が及んでいることを知らない人はない。 その人脈と力を無視できるのは、芸能界に遠慮のない雑誌作りを続けられる文 藝春秋社ぐらいのもの。 敵に回すと面倒だが、味方にしていると心地いい――。 そんなマスコミの怯懦が、周防氏を「ドン」にした。ただ、その力は暴排条例 で削がれると思われた時もあった。 だが、結局、「密接交際者」と認定できず、紅白歌合戦も周防氏周辺が仕切っ たという。 結局、芸能界を旧態依然の姿に戻したのは、NHKに代表されるマスコミであ り、それはその方が、権益が守れるからだ。 「角界騒動」も同じ図式である。 力士に蔓延していた野球賭博、親方や力士と暴力団関係者との親密な交際が暴 かれ、角界は存亡の危機に陥り、NHKは相撲中継をせず、中断した場所さえ あったのに、今、そのことを問題視するマスコミはない。 といって、相撲協会や力士が、反省の上で態度を悔い改めたわけではない。意 識は完全に昔のまま。目立つのを避けるようになっただけである。 大相撲を独占中継するNHKにとっても、変わらない方がいいのであり、他の マスコミもそうした相撲秩序に異議はない。 「互いの領分を荒らさない」というのは、限られた地上波利権を持つテレビ局 の黙契だ。 そして、嵐のような暴排条例キャンペーンを張り、芸能界と角界を責め立てた 警察はどうなったのか。 警察庁長官というトップが代わったので、粛清ムードが沈静化したという側面 はあるものの、彼らが目的を達し、満足したことは否定できない。 エイベックス、バーニンググループ、吉本興業などに元警視総監を含む多数の 警察OBが天下っている実態を知らない人はないが、その「天下りルート」は、 一連の騒動の過程で太く、確実なものになっていった。 角界もそうである。両国国技館には暴力団との密接交際が報じられてから「暴 力団排除等対策委員会事務局」が設置されているが、そこには常時、数人の警 察OBが詰めるようになったし、その上部組織の委員会顧問には、元警視総監 が就任している。 芸能界と角界を変えないのは誰か――。 答は出ている。
by kissyouten2006
| 2012-07-18 21:54
| 週刊メールジャーナル
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