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2012年 10月 03日

金融庁による「ゴミ溜めファンド」設立推奨?

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2012/10/3 No.654  週刊メールジャーナル  読者数9926(前回)
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●金融円滑化法の終了で6万社倒産に怯える金融庁が「ゴミ溜めファンド」を
設立推奨(会員制経済情報誌『現代産業情報』9月15日号より転載)

国民新党を離党、一匹狼となって存在感を失った亀井静香元金融相を、「浪花
節マルキスト」と呼んだ人がいる。

確かに、言い得て妙だ。

元警察官僚、旧青嵐会のタカ派イメージが今も残り、大物仕事師・許永中受刑
者と親密に交際、政治資金疑惑がつきまとうなどダーティーさは拭えないが、
亀井氏の本質は、優勝劣敗を嫌い、国が弱者の面倒を見るべきだという「情の
政治家」である。

その「情」が、いかんなく発揮されたのが中小企業金融円滑化法だった。

民主党と連立政権を組み、金融・郵政改革担当相に就任した亀井氏は、2009年、
資金繰りに苦しむ中小企業のために、返済猶予法を唐突にぶち上げた。

倒産を先送りするだけじゃないか――。

金融界は反発したが、弱者救済の信念の人である亀井氏は、強引に成立に持ち
込み、返済条件の変更要請を金融機関に義務付ける中小企業金融円滑化法は、
09年12月4日、施行された。

亀井氏は、優勝劣敗を貫く小泉政権の時代、何人もの後援者が、銀行に追い詰
められて自殺、そのたびに涙を流して参列した人である。リーマン・ショック
後の経営環境悪化を、手をこまぬいて見ていられなかった。

多くの中小企業が救われた。それは事実だが、いつまでも金利優遇の特別措置
が取られていいものではない。

なにより、今度は優遇措置を義務付けられた地銀、信金など地方の金融機関が
劣化してきた。

もはや限界である。11年3月末が期限の中小企業金融円滑化法は、延長を重ねて
きたものの、13年3月をもって終了する。

「先送りのツケ」がこれから回ってくる。

兆候は既に表れている。円滑化法の終了を見越し、金融機関が貸出先の債務者
区分見直しをスターとさせており、倒産件数が増え始めている。

現在、円滑化法を利用している中小企業は約30万社。そのうち2割は「法の庇護」
が無くなれば、倒産は免れないと目されている。なんと6万社が危ない。

さらに問題なのは、「先送り」の間に劣化した金融機関に、「6万社倒産」に耐
えうる力がないことだ。憂慮する金融庁は、最後の手段に打って出た。

「飛ばし」の容認である。

『日本経済新聞』は、9月12日朝刊の1面トップで、「中小再生へ地域で基金 地
銀など設立急ぐ」と報じた。

全国の地域金融機関で中小企業向けの再生ファンドを設立する動きが相次いで
いる。円滑化法の終了を来年3月に控え、債務整理や経営指導をファンド主導で
進める。資金繰りに悩む中小企業を支え、地方景気への打撃を和らげる狙いで
政府も後押しする――。

日経らしい“前向き”な記事だが、「なぜ再生ファンドが必要か」という根源
的な問いかけがない。

ファンドが必要なのは、支援される企業ではなく、地銀、信金などの地方金融
機関である。

まともに処理したのでは、自己資本不足で金融機関がもたない。だからファン
ドに不良債権を移し替える。つまり、「飛ばし」である。

かつて、バブル処理の中で倒産した旧長銀、旧日債銀は、OBらが何十社も飛
ばし会社を設立、そこに不良債権を移し替えた。

貸しビルの一室に、あまりにたくさんで社名も思いつかないというので、半蔵
門、桜田門など江戸城の門を冠した会社、妻子兄弟に甥姪の名前まで活用した
会社があって、鼻白んだものである。

今回、それを金融庁が推奨、日経がそれを承知で「政府容認ファンド」と書き、
「円滑化法倒産」の余波を、地方金融機関に及ぼさせない金融庁の工作を“支
援”する。

亀井氏は。中小企業の倒産を「情」において先送りした。金融庁は、円滑化終
了に伴う地銀や信金の危機を、「保身」で先送りする。

その原資が公的資金で、政治家も官僚も自らのハラを痛めないという意味では
同じだ。

日経は、つくづく罪深い。ファンドの役割をこう書く。

「企業は再生ファンドによる出資や経営指導で延命できる。中小企業の破綻を
避けながら再生の時間を稼ぐ仕組みだ」

ファンドは不良債権を抱えた倒産予備軍の「ゴミ溜め」である。そこからの再
生は、どんな錬金術を使っても無理だ。

保身の「官」と結託した御用ジャーナリズム――。日本経済の劣化も無理はな
い。


●エース交易の“お家騒動”は合法的乗っ取りか創業者の背信か!
(転載同前)

商品先物大手のエース交易(ジャスダック上場)は、規制強化のあおりを受け
て、業界全体に沈滞ムードが広がる中、連結従業員250名を抱え、なんとか大手
の面目を保っている。

その「業界の雄」に、会社の経営権を押さえた海外ファンドの会長側と、生え
抜きの社長との間で内紛が発生、双方が「代表取締役解任」を提示、どちらが
真正な経営者かが、わからない状況が続いている。

騒動のきっかけは、昨年4月27日に結ばれた「資本業務提携基本協定書」だった。

業績が低迷しているエース交易は、海外にノウハウがあり、システム開発力も
あるケイマン籍の金融会社タイガー・トラストグループ(以下タイガー)との
資本業務提携に、将来を託すことにした。

資本提携は、エース交易がタイガーから8億円を調達する一方、タイガー子会社
の株式をほぼ同額、引き受けるというものだった。

この提携に基づき、今年6月28日に開催された株主総会で、タイガーから4名の
役員を受け入れ、その中からジョン・フー氏が代表取締役会長に就任した。

代表取締役社長は生え抜きの牧田栄次氏だったが、こちらの役員は3名で、実質
的にエース交易は、タイガーが支配することになった。

この時点で、同社はタイガーに切り売りされる運命にあった。それが嫌なら取
締役会で主導権を取らせるような役員構成にすべきではないのだが、そうなっ
てしまったのはタイガーを引き入れたのが、自社ビルに生前から銅像を飾らせ
るようなワンマン経営者だった榊原秀雄氏だったので、役員は逆らえなかった
という。

支配権を握ったタイガーは、すぐに“ハゲタカ”の本領を発揮する。口頭での
約束は約8億円の子会社株式の引き受けだったのに、2社で16億円を要求。しか
も両社とも、出資をはばかれるような経営形態だった。

ここから水面下の交渉が始まり、タイガーサイドから思いがけない“裏契約”
の存在が知らされたという。

この存在について牧田社長は、9月6日、タイガーとの資本業務提携の解消を伝
える適時開示で、「当社元役職員ら数名による不適切な関与が存在する疑義」
としか書いていないが、疑惑に最初に踏み込んだ『週刊新潮』(9月28日号)に
よれば、「タイガーが榊原氏の保有株を市場価格の3倍で買い付ける内容だった」
という。

事実なら、創業者による重大なる背信行為である。

直近の株価は約220円。榊原氏の保有株は約300万株なので、時価の3倍は約20億
円となる。

高値で引き取ってもらう代わりに役員4名の就任を認めさせ、16億円を業績不振
企業に投じさせるのだとしたら、「経営者の罪」は免れない。

それにしても、生き馬の目を抜くといわれる海外ファンドが、密約を表面化さ
せるなど、そんな単純なミスを犯すものだろうか。時系列でみると、タイガー
は用意周到である。

資本業務提携を発表した4月27日のニュースリリースでは、エース交易に幾ら株
式を引き受けさせるか明示していない。

「(エース交易はタイガー系2社の新株予約権の取得を予定しているが)取得予
定の新株予約権の具体的な内容については未定となっております」

この「口約束」は、9月6日に発表予定の適時開示では、(1)エース交易は行使
価額総額約12億円の新株予約権を引き受ける、(2)エース交易はタイガーに約
7億円の貸付債権を譲渡する、(3)エース交易はタイガーから約5億円を借り入
れる、ことになっていた。

しかし、この議案は社長側が会長派4名を「利害関係者」として追い出して否決、
宙に浮いてしまっている。

議案の中には、エース交易の株式引き受け終了を条件に、タイガーが榊原氏の
借金を引き受けることが明示されており、これが“密約”を契約したものと読
めなくもない。

そうなると、タイガーは法的措置を万全に乗っ取りを図ったことになるのだが、
「榊原氏の背信」という疑惑は残り、そのあたりは会社側が、町田幸雄弁護士
(元最高検次長検事)を委員長とする第三者調査委員会を設置、調査を進める
ことになっており、その結果を待つしかない。

いずれにせよ、双方がIRを出しあうという経営不在の状況を作り出したのが、
今年81歳の創業者の“私欲”であり、商品先物の世界で一世を風靡した榊原氏
は、晩節を汚したというしかない。
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by kissyouten2006 | 2012-10-03 08:26 | 週刊メールジャーナル


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