今日は何の日

itabasi.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 06月 ( 1 )   > この月の画像一覧


2008年 06月 17日

田中均氏の講演

日本警察と国際機関の関与必要検証可能な拉致被害再調査に
http://www.kyodo.co.jp/b2bservice/event/kisaragi_PDF/20080630.pdf
田中均元外務審議官は17日、都内のホテルで開かれた共同通信社の「きさらぎ会」で講演し、
日朝実務者協議で北朝鮮が約束した拉致被害者の再調査に関して、警察など捜査の専門家を含めた
日朝合同の調査団をつくり、客観性を担保するため、国際機関などの関与の必要性を指摘した。


講演「日本外交の課題」要旨は次の通り。
東アジアの変化
海外の国際会議では、次の米大統領が直面する課題は1945年にトルーマン米大統領が直面した
問題よりもっと厳しい、と多くの人が言う。トルーマン大統領は、東西関係の中でいかにして
旧ソ連の力を弱め、西側の力を拡大していくかということに成功したが、次の米大統領が直面する
世界は2つの意味で大きく違う。

ひとつは、45年の時点で米国は戦勝国で圧倒的な力を持った存在だったということだ。今の米国は
戦勝国ではなく、むしろ米国の威信は著しく落ち、同時に世界の力も「西」から「東」に移って
いる。以前の「東」はソ連だったが、今は「東」アジアだ。日本が成長していた時代には中国の
国内総生産(GDP)は日本の5分の1だったが、2005年になって中国は日本の半分のGDPに
なった。単純計算すると、30年には中国のGDPは日本の少なくとも4、5倍にはなるだろう。
中国のGDPが日本の5倍になれば、日本の10倍の軍事予算を使う国が東アジアに存在することに
なる。インドがその後を追っていく。

もうひとつの大きな違いは、日本や西ドイツは戦争では負けて先進国として復興したが、今の中国や
インドは開発途上であり、国内に大きな統治上の問題を持っている。端的な例が中国のチベット問題だ。

地域安保の枠組みを
そういう状況の中で日本は何をすべきか。ひとつは米国とよく話をしなければならない。中国は14
カ国と国境を接しているが、どことも同盟関係がなく、安全保障の意識は四方八方に散
らばっている。米国を追い越す
ような軍事能力を持つ国になる
可能性がある。日米同盟は必要
不可欠で、米国がより建設的な
政策を取るように、米国が言っ
てくるのを待つのではなく、日
本が米国に言う仕組みをつくる
必要がある。米大統領選が終わ
ってから6カ月間は日本にとっ
て重要だ。日本が米国にどうい
う政策をとってもらうかを議論
していく必要がある。
安全保障の役割について抜本的に見直す必要もある。国連安
保理決議に基づく平和維持活動
に、自衛隊が戦闘行為も含めて
参画してはならないとの憲法上
の制約があるとは、私は思わな
い。一定の正統性がある場合に
は武力行使はやむを得ない。日
本の安全保障上の役割は新しい
Diplomacy
2008.6.30 週報 08
P08-09 08.6.24 11:25 AM ページ1
レジームの中で考えていくべき
だ。援助の在り方も、これから
は環境の被害をいかに少なくす
るか、だ。今後、どういう援助
が最も国益に合うかとの観点で
政府開発援助(ODA)を見直
すべきだ。
第3は、日本が東アジアでど
ういう秩序に入っていけば日本
の利益になるかというビジョン
を持つことだ。中国や韓国、イ
ンド、東南アジア諸国連合(A
SEAN)などを含む
16
カ国の
経済連携協定やエネルギーや環
境などの政策コーディネーショ
ンが必要だ。この地域の海賊や
テロに対峙



していく仕組みや、
る。今回は核の問題が動いて
いる中での約束という点でこ
れまでと違いがある。日本か
らの協力は彼らにとって必須
のものだ。核が動きだすと必
ず日朝関係を打開していかな
ければならないという動きが
北朝鮮に生ずる。
今度の拉致被害再調査は合同
調査方式で、警察の人も入れて
客観的な情報、資料を基にしつ
こく調査をし、国際機関にその
プロセスを見守らせる。北朝鮮
がごまかすつもりがあるならそ
れを白日の下に明らかにしてい
くことにもなる。検証可能な形
が望ましい。首脳の明確なコミ
ットメント(関与)がないと危
ないとも思っている。福田首相が平壌に行かなくとも、首脳の
意思を確認する方法はいろいろ
ある。日朝両国の首脳のきちん
とした関与に基づいて、徹底的
な真相究明を、いたずらに政治
介入せず、プロセスに基づいて
やっていくことが求められてい
る。
ミャンマーでのサイクロン、中
国での地震、数年前のインドネ
シアでの津波といった自然災害
に対する日本の自衛隊の役割に
ついても、私は東アジア安全保
障フォーラムと言っているが、
その枠組みの中でやっていく。
日本に欠けているのは能動的
な外交だ。日本は過去のしがら
みで秩序を乱してはならないこ
とを最大のメルクマール(指標)
でやってきたが故に、自分から
戦略を打ってでることには極め
て臆病
おくびょう
だ。持てる力を発揮して
いない。これを正常な姿に変え
ていってもらいたい。
その最たる例が朝鮮
半島問題だ。これほど
日本の安全に大きな影
響を与える問題はな
い、と同時に日本が大
きな役割を果たせる問
題はない。
今回、北朝鮮が拉致
問題で再調査をし、よ
ど号事件犯の日本帰国への協力
をするのに対し、日本がチャー
ター便を100%止めないで、
人道支援に限り北朝鮮船籍の入
港を認めることが弱腰だとは思
わない。拉致問題の解決は日本
の大きな目的であることは間違
いないが、制裁措置を取ってき
て解決しなかったのは事実だ。
日本が米国の圧力を使うこ
とは批判されることではない
し、国と国の交渉は一方の言
い分だけを通すというわけに
はいかない。拉致事件は大き
な人道問題だが、同時に在日
朝鮮人が自分の親族に物を送
ることを認めることも人道に
対する配慮だ。合理性がある
ことは堂々と論陣を張るべき
だ。それで福田康夫首相の、
日本政府の方針が国民に受け
入れられなければ、選挙で負
けるということかもしれない
が、それも民主主義だ。
外務省は、朝鮮半島の核、
拉致、ミサイルを同時に解決
しようと一生懸命にやってい
外交─ Diplomacy
求められる能動的外交
田中 均氏(たなか・ひとし)京大卒。
外務省アジア大洋州局長、財団法人日本
国際交流センターシニア・フェロー、東
大大学院特任教授、61歳。
09 週報 2008.6.30
P08-09 08.6.24 11:25 AM ページ2
[PR]

by kissyouten2006 | 2008-06-17 21:27 | 日 記