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カテゴリ:テーミス( 1 )


2012年 12月 01日

スイス銀行秘密口座巡る新協定の衝撃

日本の金持ちを震撼させる
米国は「おとり捜査」でスイス銀行に食い込み日本は海外送金&資産調査で脱税者を追う
http://www.e-themis.net/feature/read1_1212.php

■ルービック合意か情報提供か
国税庁は近々、スイスやオフショア(タックスヘイブン=租税回避地)に巨額資産を逃避させて脱税している
富裕層の摘発に踏み切る――。 こんな情報が国税庁や銀行関係者の間で飛び交っている。
きっかけはほかでもない。スイス銀行の数字と文字だけで預金者の名前がない匿名番号口座
「ナンバーアカウント」(秘密口座)への風当たりがにわかに強まり、法律で守られてきた守秘義務の
ドアがこじ開けられつつあるためだ。 
‘01年の9・11世界同時多発テロ、’08年のリーマンショックが契機だったが、スイスやオフショアでも
事件が起きていた。’08年、リヒテンシュタインの大手プライベートバンクLGTの職員が持ち出した
顧客情報1千400件を収めたDVDを、ドイツ情報局に売りつけた事件だ。 
‘09年2月には、スイスの大手銀行UBSが、米国人顧客の脱税を幇助していたとして約620億円の罰金を
米国に支払い、さらに4千400件の顧客名簿を米国司法当局に提出させられた。米国はその後、UBSに
対して、保有する米国人の口座すべて(推定で約5万2千口座)の資産情報を提出するよう通告する騒ぎに
なった。 さらに、’09年のG20(20か国蔵相・中央銀行総裁会議)やEU、OECD(経済協力開発機構)では、スイスの銀行の守秘義務が俎上にのぼり、世界的な包囲網が作られていった。 その結果、スイスは条件付きながら個人情報を開示するという規定を盛り込んだ租税条約を、日本を含めた先進国と結ぶようになった。 日本は’08年11月、スイスと’71年に結んでいた租税条約の改定交渉を開始、今年1月1日から「日・スイス租税条約改定議定書」が発効した。目玉は、OECDモデルの「税務当局間の租税に関する情報交換の枠組みの導入」で、国際標準である税務当局間の実務的な情報交換が可能になったのである。日本のほかには米国、韓国などが、同様の租税条約改定をスイスと結んでいる。 新条約による情報交換とは、日本から情報提供要請があれば、スイスは銀行の守秘義務を理由に提供を拒否できないという内容だ。ただ、その情報を入手するためには日本側は、個人・法人を特定し、その情報を所有している機関、預金なら金融機関名や所在地まではっきりさせなければならない。 スイスが先進国と結んだもう一つの“条約”のパターンが「ルービック合意」と呼ばれる2国間の租税協定である。こちらはスイス銀行に逃避して母国で納税を怠っている顧客が、個人名も資産額も母国の税務当局に知らせなくても、口座を管理している銀行が、代わりに資産の一定割合を税金として母国に納めれば「脱税」は問われないという内容だ。ドイツ、英国、オーストリアなどは「ルービック合意」を選んだ。 たとえば英国のケースでは、資産額に応じて19~34パーセントの税率だ。

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■すでに国税庁は疑惑へ行動を
  国税庁で調査査察部国際調査管理官や仙台国税局長を務めた税理士の川田剛明治大学大学院教授が語る。「どちらを選ぶかは国によって違ってくる。日本や米国は情報交換が大事だと判断し、ドイツや英国などは資産に一定の税率を掛けて徴収するほうが増収につながると考えた」 スイスとの間で今年1月に発行した条約を盾に、富裕層にどう迫るのか。川田氏に聞いた。 本誌 国税庁はいつから行動を起こしているのか。 川田 すでに調査をやっていると思う。ネタがあがればすぐ(スイスの税務当局に情報提供を)リクエストするだろう。その場合、単年ごとの所得税ではなく相続税、贈与税の漏れが中心になるだろう。 本誌 件数が集まってからスイスと交渉するのか。 川田 1件でもやる。ただ(脱税額が)小規模な案件は宣伝にもならないのでやらないだろう。 川田氏によると国税庁の“武器”は二つ。一つは橋本龍太郎内閣時代に始まった制度で、金融機関は顧客の200万円相当額超の国外送金については所轄の税務署に「国外送金等調書」を提出しなければならない(’09年4月以降は100万円相当額超に厳格化)。 もう一つは、5千万円を超える預金や不動産を海外に保有している個人を対象に、国外財産に関する調書の提出を義務づける制度である。’12年度税制改正大綱に盛り込まれ、’14年度提出分から適用される。「100万円超の国外送金はいわゆるフローだ。5千万円超の海外資産はストックの調査で、いままでなかった。フローとストックの両方を押さえることができれば、海外の資産はだいたい押さえられる」(前出、川田氏

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■オバマはスイスを丸裸にする
日本は現在、租税条約を64か国・地域と結んでおり、昨年はこうした国々からの情報は1千件を超えた。 人民日報の電子版『人民網日本語版』(’12年7月24日付)によると、世界のスーパー富豪がスイスやオフショアに隠している資産は、少なくとも総額で約1千580兆円に上るという。この数字は日本と米国のGDP(国内総生産)に匹敵する巨額だ。 クレディスイスの世界の富裕層調査では、資産規模で100万ドル(約8千万円)以上所有している日本人は、世界第2位で約380万人。その上の1億ドル(約80億円)クラスでは世界第2位ながら数千人と少なくなる。 パレスチナのアラファト議長は、かつて3億フラン(約255億円)をスイスのプライベートバンクに預金していたし、ロシアの石油会社ユスコのホドルコフスキー社長(当時)は、資産総額80億ドル(約6千400億円)も預金していたことが発覚した。日本関係でも「ヤミ金融の帝王」といわれた五菱会系の梶山進被告がスイス銀行口座に預けていた6千100万フラン(約51億円)がチューリヒ州検察局に凍結された事件があった。 米国は日本と同じ新租税条約をスイスと結んだが、米国のやり方は国力を背景に強引なところがある。 前出の川田氏が語る。「米IRS(歳入庁)に情報を漏らしたUBS職員の素性について、こういわれている。本人は米国と司法取引したにもかかわらず懲役刑で服役したが、それは米司法省とIRSが彼を匿うための処置だったという。もう一つは、IRSがエージェントとして送り込んだ人物という説だ」 日本の国税庁が新租税条約で期待したほどの成果(税増収)があげられないとなれば、ドイツ、英国のような「ルービック合意」を検討することもありうる。 スイスの銀行制度に詳しい明海大学大学院の川村文子教授が語る。「再選されたオバマ米大統領は、スイスの銀行の情報公開については “財政の崖”もあり、今後の4年間で税収をあげる目的から強力に迫ってくるのではないか」 日本は尻馬に乗るチャンスだが。
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by kissyouten2006 | 2012-12-01 10:15 | テーミス